気持ちよくモノを手放すための考え方のヒント
整理収納アドバイザー 後藤 史恵(ごとう ふみえ)
NPOハウスキーピング協会2級認定講師、
整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、
カラーコーディネーター2級、福祉住環境コーディネーター2級
先日行った講演会のアンケートでこんな質問をしてみました。
あなたの家が片付かなくて困っている最大の理由は何ですか
以下から3つ選んでください。
ア 収納スペースが足りない イ 収納の使い勝手が悪い
ウ 整理の仕方や片付け方がわからない(何から手をつけていいかわからない)
エ 忙しくて片付ける時間がない オ 家族が非協力的(主婦が一人で片付けている)
カ モノがたくさんありすぎる キ モノを捨てることができない
あなたならどれを選びますか?
ちなみにほとんどの人がウ、カ、キの組み合わせに○を付けました。皆さん片付かないのは収納の問題でないことわかってらっしゃいます。モノがたくさんありすぎる、捨てることができないのが原因だと。
モノを手放すことには心の痛みが伴います。私たちは子供のころからモノを大切にしないといけないと教えられてきました。
ところで、モノを大切にするということは大事にとっておくことなのでしょうか?
私は違うと思います。モノを本当の意味で大切にするのは使ってこそです。
「いいものだから、高かったから手放すのがもったいない」とためらう声を聞きます。
しかし、使うあてもないものに貴重な住まいのスペースを割いて暮らしの空間がどんどん狭くなり、またモノを維持管理するために手間や時間がかかり、心のゆとりまで失っていく、それこそ一番もったいなくないですか?
モノの購入代金に比べるとわかりにくいですが、家の空間だって実はタダではありません。賃貸の人は家の面積に対する収納スペースから家賃のうちいくらが収納に支払っているか計算すればすぐわかります。持家だって建築費用や固定資産税がかかっています。
また 片付けにかかる時間を時給で計算したら結構払っています。勤めている人は実際の時給で、そうでない人はその地域の最低賃金で計算してみましょう。ちなみに私の住んでいる静岡県は711円。1分当たり12円です。毎日片付けや探し物にかかる時間が5分だとしたら一日60円。一ヶ月で1800円にもなります。
高かったからと言って使いもしないものを後生大事にとっておくと、維持管理コストがかさんで余計高くついてしまいます。
それにいいものなら余計にリサイクルショップに持っていくなりして再活用の道を探してあげたほうがモノも喜ぶでしょう。
たぶん手放す時に一番心が痛むのが買ったけどほとんど使っていないモノたち。よく使い込んだものなら気持ちよく手放せるでしょうが、使っていない後ろめたさがあります。でもそのモノたちの役割は本来の使い方ではなくて、買い物の楽しさや手に入れた時の喜びで十分役割を果たしていると割り切りましょう。
一番良いのは本当に使うモノ、気に入りのモノだけでシンプルに暮らすことなのですが、これは自分のライフスタイルや好みを知りつくさないとできないこと。その間の紆余曲折は誰もが通らなければならない道です。
買ったけど使わなかったモノの代金はシンプルライフにたどりつくための授業料(私も相当高い授業料を払ってきています)、モノを手放す痛みはそのためのレッスンと考えみたら、少しは前向きに考えられるようになると思います。



