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2010年7月 5日 13:00

お手本は『京都の町家』

岡部 文絵(おかべ ふみえ)

インテリアコーディネータ 岡部 文絵(おかべ ふみえ)

インテリアコーディネータ/インテリアプランナー/カラーコーディネータ

◆ 夏を快適に過す知恵は"京都の町家"にあり

「徒然草」にも"家の作り様は、夏を旨とすべし"とあるように、高温多湿の日本では「夏が過ごしやすい家」が大切だとされてきました。

夏「鍋の底にいる様に暑い」京都では、涼やかに暮らすための細やかな工夫が、様々な生活の場面で見られます。

その京都の町家をお手本に「夏を快適に過す知恵」を私たちの生活にも取り入れてみましょう。

 

 

◆ 町家の知恵その1. "涼しさの演出"

こちらコラム_インテリアコーディネート「お手本は『京都の町家』」
京都の和食屋さんの入り口で、風にそよぐ「麻のれん」、色も素材も、描かれているモチーフも涼しげですね。

町家のインテリアに調和する「のれん」は、風は通すけど、目隠しになります。

色合い、素材、長さ・幅などの大きさを工夫して、洋風のインテリアにも似合う「間仕切り」「ドア代わり」に取り入れてみてはいかがでしょう。

のれんは、四隅を縫っただけの長方形の布ですから、ご自分で好きな布を使って、カーテンレールに取り付ける、カーテン代わりの「のれんパネル」を手作りしてみては?案外簡単にできますよ。

 

また、夏の夕方になると、京都の町家では、家の表や奥の庭に「打ち水」をします。

「打ち水」すると見た目も涼しそうですが、水が蒸発するときに「気化熱」となって、周りの温度を下げてくれるので、実際に涼しくなるのです。

町家は奥に長い作りなので、日光や風を取り入れる工夫として"奥の庭"があります。

この奥庭に「打ち水」することで、気流が発生し、涼しくなります。こうした空気の流れを作ることは、湿気を籠らせず、建物にも良い環境を作ります。

「打ち水」っていろんな面で「エコ」なんですね。

 

 

◆ 町家の知恵その2. "夏のしつらえに替える"

こちらコラム_インテリアコーディネート「お手本は『京都の町家』」
夏になると、鴨川の料亭では「川床」をしつらえ、川風に当たりながら風流に食事を楽しみます。

町家にあっては、襖や障子を、風通しのよい「よしず張り」に替えます。

冬の間敷いていた「段通などの絨毯」に代わって、籐を編んだ「網代」が敷かれます。

夏用の枕にも使われる籐は、肌触りがよく、ひんやりと素足に気持ち良いものです。

軒先には「風鈴」を下げ、竹製の「すだれ」で日光が奥まで射すのを、柔らかく遮っています。

夕方ともなれば縁側に「蚊取り線香」を置き、来客にはお香などの「香り」でもてなします

これら日本情緒満点の風情は、私たちの心をとても和ませてくれますね。

大事なお客様を迎える部屋の床の間には、清流など題材にした「夏らしい絵柄」のものに取り換え、花器やお花にも気を遣います

また、湯飲みなどの器も、夏は「涼しげなグラス」に替え、細やかな心遣いで炎天下に訪れたお客様をもてなします。

 

 

◆ 町家の知恵その3. "エコに通じる町家の暮らし"

京都の町家では、締めきって冷房を効かせるのではなく、風通しのよい建具に替えたり、涼しげに感じられる様々な演出をして、夏の暮らしを快適にしているのですね。

このように、町家の暮らしは、和の基本ともいうべき暮らしがあります。

そこで使われる生活の用具には、「籐」「麻」「竹」「ガラス」など自然素材であることに気付きます。

また、その用具を大切に手入れし使い続ける「サスティナブル精神」「季節を感じ楽しむ感性」「細やかな心遣い」は、省エネルギーで自然と共生するエコに通じるお手本といえます。

こちらコラム_インテリアコーディネート「お手本は『京都の町家』」
 
 

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